R&Dにマニュアルは必要?─研究開発とマニュアルの関係性─

*挨拶&自己紹介

こんにちは! IAIAです。

このブログでは研究開発のマネジメントにかかわる情報・考え方を発信しています!

今日のテーマは「研究開発におけるマニュアル作りの重要性」についてです!

*テーマ&結論

  • 研究開発は非定常作業の塊であるため、マニュアル作りに気が引けがち
  • しかし研究開発においても複数の理由でマニュアルは重要
  • コストとの兼ね合いを考慮してマニュアル化を導入すべき

*目次

  • マニュアル化って何?
  • マニュアル化の長所とは?
  • マニュアル化の短所とは?
  • 研究開発においてもマニュアル化は必要?
  • 最後に
  • 関連リンク

*マニュアル化って何?

 そもそも「マニュアル」とは何でしょうか?

 「マニュアル」の定義について確認しましょう!

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 この記事でいうマニュアルとは「研究開発において行う一連の作業を、初めてその作業をする人にもわかるように、文字にして表した文書」のことです。

 たとえば料理のレシピ・生産の作業標準書・手順書などはマニュアルの一例です。

*マニュアル化の長所とは?

 では一般に、マニュアルは何のために作るものなのでしょうか?

 マニュアルの長所について考えてみましょう。

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 マニュアルの長所は以下のようなものがあります。

  • マニュアルに沿って行動することで、覚え違いや勘違いなどのヒューマンエラーを防ぐことができる
  • マニュアルという形で明文化されることにより、熟練していない作業者でも同じ作業を行うことができる。作業者間の認識の違いを可視化・修正することができる。
  • マニュアルを作る過程で仕事全体を効率的に再確認することができ、仕事に対する理解が深まる。結果として仕事の効率が上がる。
  • 問題が発生した際に情報共有するためのベースとして活用できる。マニュアルの修正・徹底により問題の再発防止ができる。

 これらの長所から、マニュアルを作成し標準化するのは生産現場では必須の手法となっています。

*マニュアル化の短所とは?

 では逆に、マニュアル化の短所は何があるのでしょうか?

 一般によく言われるマニュアル化の短所として、以下のようなものがあります。

  • 作るのにコストがかかる
  • マニュアルに沿って作業すればできてしまうため、熟練していない作業者が仕事に対して理解を深めようとしなくなる。マニュアル作成者の理解は深まるがマニュアル利用者の理解は深まらない。
  • マニュアルを作っても熟練作業者が使おうとしない。結果として、かけたコストに対して得られるリターンが小さくなる。

*研究開発においてもマニュアル化は必要?

 上記の通り、生産現場においてはマニュアル化はほぼ必須の取り組みです。

 しかし、研究開発は非定常作業の塊。同じ試験を2度もしない、試験担当者は自分一人だけということもしばしばあります。

 そんな研究開発の現場にはマニュアル化は不要と考える方もいるかもしれません。

 しかし、私は以下のような理由で研究開発にもマニュアル化は重要だと考えています。

  • マニュアルに沿って行動することで、ヒューマンエラーによる効率の低下を防ぐことができる。

 研究開発の現場において、「試験回数」は最も大きなコスト要因です。あまり好ましいことではないですが、開発の初期段階においては1試験水準につき試験1回(n=1)ということも多いでしょう。また、使用する原料も生産に使うものより高価な場合があります。

 「継続的に作業する」ことを重視した生産現場とは異なり、研究開発では1回の試験の重みが大きいと言えるでしょう。

 このことを考えるとせっかくの試験がヒューマンエラーによって台無しになってしまうことはなるべく避けたいところです。マニュアル作成によってケアレスミスを予防することが重要です。

  • マニュアルを作る過程で仕事全体を効率的に再確認することができ、仕事に対する理解が深まる。

 研究開発は孤独な仕事です。自分の仕事についてチェックしてくれる人がいない、というケースも多いことでしょう。複数人で作業することの多い生産現場と比較して、作業者自身の理解度が求められることとなります。

 作業者自身にマニュアルを作成させることで、作業者の理解度を高めることができます。なぜこの作業を行っているのか、なぜこの順番なのかということは、作業自体に対する深い理解がなければ説明できないことだからです。

  • 他の人に情報共有するためのベースとして活用できる。

 「研究開発は孤独な仕事」とは書きましたが、それでも他者と情報共有する必要はあります。専門知識が必要なことを考えると、「他者に自分の仕事を理解してもらうこと」はむしろ他の職場より重要であるとさえ言えます。究極的に言えば、「研究開発は開発内容の重要性を会社に認めさせる仕事」であると言えるほどです。自分の研究内容を他人に説明しようというのに、マニュアルも書けない状態でうまく説明できるものでしょうか?マニュアルは自分がどういう研究をしているか、の端的な説明になってくれることでしょう。

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 上記の理由から、研究開発においてもマニュアルを作成することは重要だと考えています。

 ただし、生産現場と比べて研究開発では理解度の低い作業者に作業させることが少ないことも事実です。マニュアル作成のために手間と時間をかけられないことも多いと思います。

 ですので、実際にはある程度重要な業務に関してのみマニュアルを作成することが望ましいでしょう。

*最後に

 今回は「研究開発におけるマニュアルの重要性」について考えてみました。

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 ぜひ他の記事もご覧いただければ幸いです!

関連リンク

~追記

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